ボーカルの周波数帯域         ! もくじ へ
  『 DiGiRECO 』 という月刊誌がありまして
  楽器店などに無料で置いてあります けれども すぐに品切れになる様です
  これは大変良い雑誌でして
  掲載される広告の収入のみで 成り立っているのですが
  音楽機材の扱い等について 諸先生の解説や意見が載っています
  数百円する雑誌以上の読みごたえがある のに無料という すごい雑誌なのです
  でも わたしは楽器店に たまにしか行かないので 年に 二冊くらいしか手に入りません
  毎月第二金曜日発行なのです けど ・・
   ところが その雑誌を意外な場所で手に入れました
  03年9月17日の川崎クラブチッタのロビーで 歌や演劇のチラシにまざって
  二十冊くらいの『 DiGiRECO 』 が燦然さんぜんと輝いていました
  yuuさん目当てのライブで 思わぬ収穫でした さて
 
   その 『 DiGiRECO 』vol.28 2003年9月号の中の33ページ
  平内 健 先生 執筆の『ボーカルレコーディング講座』
  の中で 次のような解説がありました
  ある周波数帯域に伴奏とボーカルが集中すると 歌が聞こえにくくなる
  ので 特に中低域で 重ならないように アレンジした方が良い 事
  男性 女性 その他
  ボーカリストの個性によって 同じ曲でも 声域に合わせた移調以外に
  シンセの音色の変更 生楽器の変更 が必要になる 事
  「同じ楽曲で 女性が歌うバージョンと男性が歌うバージョン の2バージョンある仕事」
  でアレンジャーが作り分けていた 事
  など ボーカルの声の質と 伴奏の関係について言及していました
  周波数帯域 という言葉はわたしには よく分かりませんけど
  例えば 200ヘルツから 500ヘルツの間とか 1万ヘルツから 2万ヘルツの間とかを
  200ヘルツから 500ヘルツの周波数帯域とか 1万ヘルツから 2万ヘルツの周波数帯域
  などと呼ぶのでしょうか
  そして わたし流に要約すると
   ボーカルの声が 伴奏の中に埋もれない様に気遣いましょう
  と平内 健 先生はおっしゃっているようです
  たぶん レコーディングにおいては当然の配慮なのかも知れません
  そして わたしの推測的解釈では
  たぶん 200ヘルツから 1000ヘルツの間くらいに要注意の帯域があって
  ボーカルの個性によって その要注意の帯域は様々である
  らしいぞ と思いました そして 例えば
  コントラバス見たいな声の歌手が歌っている時に コントラバスの伴奏が重なる とか
  フルート見たいな声の歌手の時に フルート見たいな音色の伴奏が重なる とか
  の場合は楽器や音色の変更を検討する必要がある らしいぞ と思いました
  もちろん意図的な ねらいがある場合は別ですけども ・ ・
  で そんな事を『 DiGiRECO 』の9月号を読んで思っていたのですが
  くしくも その9月末にも わたしはロックのライブを拝聴しました
 
  ガク然としました
 
   ライブ会場では 別の流派が存在しています
  Aメロの歌詞の ほとんどが聞こえない時があります
  サビでさえも 言葉の語尾が聞き取れない時があります
  ロックバンドのライブにおいて そういう現象が起きます
  それは わたしが年寄りなので耳が悪くなったのかも知れません
  若者は ちゃんと聞き取っているのかも知れません
  だから門外から 苦言をはさんで申し訳ないとは思いますが
  年寄りの ひがみ として以下述べさせてください
 
  Aメロが観客に聞き取れていない と仮定した場合
  どんなに 格好の良いサビの言葉でも
  どんなに 髪を振り乱して怒鳴り叫んでも そこに至るAメロの詞がおざなりだと
  歌詞の重みが 無くなると思います 見た目の派手さに反して言葉が 軽くなると思います
  さらに作家は無意識のうちに 歌詞で悩んでも無駄 と思ってしまって
  せっかくの才能を しぼませる原因の一つになっている のでは無いでしょうか
  こんな考え方は的はずれなのでしょうか
 
  ロックとしての すごみを増すために そう しているのでしょうか
  音量を増やしても どうせコンプレッサーがリミッターが押さえてくれるから安心だ
  ハウリングの心配は無いから 増やせるだけ増やす という考えなのでしょうか
  PAに送られる前に すでに バンドの方から音を送る段階ですでに
  コンプレッサーでぎゅうぎゅうに詰め込まれた音になっているのかも知れません
  我も我も と 目立とうとして ひしめいて ぎゅうぎゅうになった状態の音が
  PAに送られているのでしょうか
  それともPA側で作っているのでしょうか
  内情を知らない わたしには解りません
  そして 本物の大物のロックコンサートも 見たことが無いので解りません
  ただ言えることは 都内のライブハウスで見かけるロックは ほとんど歌詞が聞こえない
  という事です
  一度だけ 渋谷のTake off 7 で一度だけ 歌詞が聞こえるロックを聞きました
  その一度だけでした あれは 何かの間違いだったのでしょうか
 
   一方テレビでは テレビなんかでロックを聞くな と言うでしょうけども テレビでは
  ほとんどの場合 歌がちゃんと聞こえます
  良いなぁ と思うこともあります
  最近では中国のロックで 大曲の中で ハードロックから ロックンロールまでを見事に
  ものすごいパワーで あざやかに表現していた のには たまげました
  音のバランスも 歌やリードギターを鮮明に引き立てていました
  なぜテレビやCDで出来る音のバランスが ライブハウスでは実現できないのか
  わたしには 解りません しかし この現状でいいのでしょうか 不思議でなりません
 
  たぶん わたしはロックが嫌いなのだと思います
  だから いちゃもん付けているのだと思います
 
  地を揺らす低音と 全体の音圧と 歌の鮮明度 をすべて生かす事は 無理なのですね
  きっと たぶん
 
  失礼いたしました ごめんなさい
                                  ! もくじ へ
  蛇足
  ロックスィンガーが歌うバラードには わたしの好きな歌がたくさんあります
 
  さらに蛇足
  PERSONZ のビデオテープは定価で買いました
  ディープパープルのアナログレコードを買った事もあります
  エアロスミス キッス デビットボーイ が健在なのは すばらしい事です
  XIX'S はどこへ行ったのでしょうか