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朝日新聞1987年昭和62年5月19日
火曜日朝刊4ページ目の戦争テーマ談話室 より
『『
よい友達でありがとう
敗戦後四、五年たったころである。九州・別府の小学校に一人の新入生が関西から
転校してきた。髪はうちかぶりシラミだらけ。着るものも破れ、級友はくさいとあまりそばに
寄らない。実際彼女はくさく、その貧しさは大変なものと想像できた。
父は戦死、母は空襲で死に、幼い二人の弟と伯母に引き取られた。世の中全体が貧しく,
やさしさに欠けていたせいか、この家でも彼女たちの面倒をみるのは二の次になっていた。
給食になると、皆が毛嫌いする脱脂粉乳のミルクを何杯もおかわりした。
コッペパンは手つかずのまま手提げ袋に入れ、弟たちに持ち帰った。
パン嫌いの私は、弟たちに持っていってもらった。彼女は私の方に大きなひとみを向け、
うれしそうに目を細めて笑った。
五年生も終わるころ、三人の姉弟は広島の叔父の所に行くことになった。彼女は
転校してきた時の薄汚れた服装のまま教壇に立ち「皆さんさようなら」と言った。
「睦ちゃん、よいお友達でいてくれてありがとう」。ノートの切れはしに書いた短い手紙が
私の手に残った。私は級友の目を気にして、決してよい友達ではなかったのに・・・・・・。
そのことを思うと胸がチクリと痛み、「さようなら」の声が聞こえてくる。
(小平市 春田睦子 45 主婦) 』』
むつまじく親しい の意の文字が含まれたお名前の 一般読者からの投書です
『 うちかぶり 』は すごくかぶった状態で の意でしょうか
打ち=すっかり の意に近いと思いますけど 少し違うかも知れません
弟のために
しっかりしなきゃ
恥ずかしくても平気だっ
なにがあっても負けないぞっ て思いで生きて いるんでしょうね けなげです
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